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ヘボ碁がヘボ碁を超える難しさ

「5級の父」に6子の壁! 陣取りに終始した十代後半


 私の少年時代、男の子は皆、野球と将棋ができるのが普通でした。でも、囲碁のできる子が極めて少なかったのは、今と状況 が変わりません。

 そんなある日突然、父が碁を教えると言い出したのです。どうやら職場で碁をやっているのだが、打てるのは自分を入れ て3人くらいでつまらないということらしい。親孝行のつもりで始めた碁でしたが、やってみるとけっこうおもしろいものです。ほとんど毎日、勉強とテレビの合間に1時間ほど、父と碁盤に向かい合いました。

 父の棋力は当時5級程度でしたでしょうか。猛烈な早打ちで、1時間に4局も打ちました。それだけ実戦対局を続ければ 、すぐに7〜8級くらいにはなれるはずですが、私はなかなか「6子の壁」が破れません。しびれを切らした父が初めて碁の打ち方を教えてくれました。

 父の教えは単純で、上手の石にやきもちを焼かず、置石の三連星をつなげていけば自然に地で勝てる、というものでした。当時の私にはまさに「眼から鱗」でしたが、地ばかり囲っていて強くなれるはずはありません。6子では簡単に勝てても、5子ではなかなか勝たしてはもらえませんでした。

 石がつながれば強い石になるので、確かに下手の石はなかなか死にません。でも置石が減ってくると、石がつながっているだけでは地はつきません。そこで地に走れば薄くなり、石が切断されることが多くなります。弱い石を作ったら、もう上手の餌食になるのは目に見えています。

 囲碁本来の目的は「陣取りゲーム」ですが、地を得るためには戦いを避けるわけにはいきません。戦いに強くなることが碁に強くなる近道。このことに気がついたのはだいぶあとになってからでした。

 ヘボ碁だけを相手にしていては、ヘボ碁を乗り越えることはできない。これは永遠不滅の法則です。
父のヘボ碁が体に染み付いた私は、最も頭の柔らかい十代の後半から7〜8年かけてやっと3級になったのです。

 なお、父の名誉のために付け加えますと、その後、2人の息子が有段者になっても、自分が石を置くのを嫌がらずに「かつての弟子」と碁を打ち続け、私に碁を教えてから四半世紀を経て二段になりました。「生涯かけて囲碁二段」は、途中で碁をやめてしまった人も含めれば、標準よりかなり上になるでしょうか。

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