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 棋譜や定石は碁盤に並べる
      
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棋譜や定石は碁盤に並べる

指先で手順を覚え、知識を感覚にまで高める


 人間の大脳と指は密接につながっていると言われます。知能ばかりでなく感情も、指先の神経に直結しており、演奏家や職人の神技としか思えない技術・技能を可能としています。

 石を並べることにしか指を使わない囲碁でも、古来、棋譜や定石などは碁盤に並べて勉強するのが王道とされてきました。並べた石を崩してはまた並べるのは、パソコンの時代には面倒な作業ではありますが、一手一手指先で石の重みを感じながら棋譜を並べる効果には計り知れないものがあるはずです。手順の覚えやすさもさることながら、一手一手を感覚的に確かめる充実感があります。

碁盤を使うのは、プロの勉強法の定番

 少し上級者の勉強法になりますが、プロ棋士にプロになる前の修行法を尋ねると、ほとんどの方が実戦以外では詰碁を解くことと棋譜を並べることを挙げます。プロをめざすのとアマとして楽しむのでは、心構えに天と地の差があるかもしれませんが、棋譜を碁盤に並べることはアマでも効果があるはず。初段になったら、だまされたと思って1ヶ月くらい棋譜を並べてみてください。ジワリと効果が現れてくるでしょう。

 なお、並べる棋譜は自分の応援する棋士や棋風の好きな棋士を選ぶと、長続きします。碁の内容の面では、力戦、乱戦の碁よりも、じっくり構える本格派の碁のほうが勉強になります。

棋譜を見ないで並べ直す

 
 棋譜を並べる際、解説はあまり気にしないほうがよいでしょう。手の善悪はプロのレベルの話であって、アマチュアから見ればすべて好手。その評価がわかる棋力に達していません。それよりも、一度並べたら、見ないで並べ直すのがよい勉強法です。これは初段に近い1、2級の人にもおすすめします。

 最初は30手も覚えていないかもしれません。並べ直せる手数はほぼ棋力に比例します。意味不明のものを記憶するのと、ある程度意味がわかり、必然性を感じながら記憶するのとの違いです。

 30手、60手、100手と見ないで並べ直す手数を増やして行くのも楽しいものです。解説を読むのは完璧に手順を記憶してからでも遅くはありません。

定石は向きや白黒を変えて並べてみる

 棋譜と並んで定石の勉強も、棋譜を目で追うだけでなく、実際に碁盤に並べて覚えるのが効果的です。その際、解説にある変化手順はすべて並べるようにします。

 定石は見ないで並べ直すときに、場所や向きを変えたり、白と黒を入れ替えたりすると効果的です。うろ覚えだと、わからなくなることがよくあります。

 途中の変化手順も並べると、なぜその形になるかがだんだんわかってきます。しかし、定石の解説の意味が本当にわかってくるのは、覚えて、実戦で使って、その後だいぶ強くなってからになります。それでも、定石を覚える意味はあるのです。

 ただし、定石は絶対だと思わないことです。覚えたての定石を試す勇気とともに、知っていてあえて自分が考え抜いた手を打つ勇気も持ちましょう。碁では、部分的には正しくても、全局的には間違いということが、往々にしてあるからです。

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