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囲碁パソコン・ソフト上達術

  (下段) 進化を続けた対局ソフト。ライバル、目標から師匠へ    囲碁対局ソフト進化の歴史         

実戦対局、練習問題、講座学習―多彩な活用法


 囲碁の学習では書籍・テキストだけではなく、パソコンソフトも有力です。書籍には、外出時にも見られるとか安価であることなどのメリットがありますが、自宅のデスクで碁盤を出さずにできるパソコンソフトも有力な上達手段です。

 囲碁ソフトは大別して対局ソフト練習問題囲碁講座(問題を含む)の3つに分かれますが、多彩な活用法が可能で、碁盤に石を並べる手間もなく便利なものです。ここではそんなパソコンを利用した囲碁上達法について、その魅力と利用法をご紹介します。

上達の王道「碁盤に石を並べて研究」が楽になる

 碁盤を出して並べるのは効果的とわかっていても、場所をとる上に、面倒なものです。また、本の図と文章に交互に目をやりながら、碁石を握って盤上に並べる動作は、かなり効率が悪く、疲れます。そこで近年は、パソコン囲碁ソフトが当たり前になってきました。パソコン学習のメリットはたくさんあります。

高齢者でも使えるパソコン・ソフト

 パソコン音痴世代といわれる高齢者でも、有段者クラスは囲碁のためにパソコンを覚えたという方が少なくありません。中には、「囲碁ソフト以外はあまり使いこなせない」という方もいらっしゃいますが、それでも十分パソコンをやる価値はあります。それだけすぐれた囲碁ソフトを使いこなすと効果が高いのです。

対戦型の詰碁はゲーム感覚

対戦型詰碁ソフト(画面の一部) パソコン学習が効果的なのは、対戦型の詰碁です。正解と思われる場所をクリックすると、コンピューターがそれに対する応手を示します。何手か進んで、正解か失敗かが表示されます。同じ問題を何度でもやり直せ、すぐに正解を見ることもできます。攻め合いや手筋の問題も対戦型になっていますから、詰碁嫌いの人でもゲーム感覚で囲碁の勉強を楽しむことができます。

棋譜並べにも効果

 次に、プロの勉強法である「棋譜を並べること」も、パソコンソフトの得意分野です。要所、要所に解説がつき、変化図や参考図などの枝に進むこともできます。クリック一つで進んだり後退したり、飛んだりでき、棋書を見ながら碁石を並べるのに比べて数倍楽です。

定石からヨセまで何でもあり、音声入りも

 さらに、定石事典や、布石・中盤・ヨセなどの問題集など、書籍で表現できるあらゆる形の解説や問題集が、すべてパソコンソフトとして作られています。その上、解説には音声の入っているのが普通で、至れり尽くせりです。

 書籍ならかなりのスペースをとるデータが、パソコンから自由自在に取り出せるのですから、これを利用しない手はありません。タブレットなどを利用すれば、移動中の電車の中でもできます。
 
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進化を続けた対局ソフト。ライバル、目標から師匠へ


 実戦だけで強くなれるのは4、5級からせいぜい“ヘボ初段”程度。やはり、よく勉強している人にはかないません。しかし、実戦をあまり打たず、勉強ばかりしていてもやはり、碁が強くならないことも確かです。実戦と勉強は上達という車の両輪に当たります。

 そこでお勧めするのが、近年、高段の棋力をつけたと評判の囲碁対局ソフトです。十数年以上前は、「初段」を標榜するソフトでも、人間の側が慣れてくるとたちまち弱くなるのが普通でした。ところが、モンテカルロ法という物理学の確率論に基づくシミュレーションを思考エンジンに採り入れてから、状況は一変したのです。

 接近戦や死活に弱かった囲碁ソフトは、その欠点を見事に克服し、乱戦に強い高段者の碁に進化しました。そして、モンテカルロ法搭載ソフトは「初・二段の壁」を乗り越えて、三段から階段を一段ずつ上り、ついには碁会所六段のアマ棋士と互角以上に戦えるところまで棋力を伸ばしたのです。

 モンテカルロ法は囲碁対局ソフトに革命をもたらしましたが、さらにAI(人工知能)の研究の過程で生まれた、ディープラーニングという手法の成果を取り入れたソフトへと進みました。

 次に、@クラシックな囲碁ソフトと、Aモンテカルロ法搭載ソフトBモンテカルロ法と人間感覚の融合ソフト、そしてCディープラーニング搭載という、4つの時代に分けて進化のプロセスを振りかえってみましょう。その中から、人間にとっての上達のヒントも見えてくるはずです。 

囲碁対局ソフト進化の歴史

@クラシック・ソフト(知識だけでは碁は強くなれないことの証)

 古典的な対局ソフトでは、模範的な布石のパターンを数多く記憶させ、定石、手筋、死活、ヨセの形や手順をたくさん詰め込んで、見た目だけは美しい(=強そう)な碁を打ちました。しかし、石が接触するとたちまち未知の世界をさまよい、「初段」のはずが中級者でも打たないような悪手を連発して、たちまち形勢を損ねたものです。

 どんなに膨大な情報量を盛り込んでも、あまり定石や手筋を知らない実戦派の2、3級氏に簡単に負けてしまうのが、囲碁ソフトの宿命かのように思われました。

 この事実は、皮肉なことに「碁は知識で打つものではない」ということの証明でもありました。「定石は覚えて忘れよ」とは有名な囲碁格言ですが、これは知識偏重のアマにだけでなく、古典的な対局ソフトにも言えることだったのです。

Aモンテカルロ法(理論よりも実戦的な読みが強かった)

 ところが、モンテカルロ法という、中性子の動く様子を乱数を使ってシミュレートする手法を応用した思考エンジンの登場によって、囲碁ソフトは実戦的な戦闘力を獲得し、たちまち実力派有段者の棋力に到達しました。それまでめっぽう弱かった実戦死活がかなり強くなったことが、強くなった大きな要因となっています。

 確率論に基づくシミュレーションと人間の読みとでは思考法が異なりますが、碁を勝つためには、実戦的な読みと死活が大切であることを図らずも証明することになりました。そして、プロ級の棋力を持つ開発者が作ったソフトよりはるかに強いソフトを、さほど碁を知らないプログラマーが作ってしまう時代に突入したのです。

Bモンテカルロ法+人間感覚(アマ高段者への道、そして…)

 死活や攻め合いに強くなったモンテカルロ法搭載ソフトは、乱戦に強く、時には相手の大石を狙うなど、碁の内容も面白くなりましたが、布石やヨセなど細かいところに弱点が見られました。そうした問題点を改善することによって、新ソフトはあっという間に「碁会所四段」のレベルに達しましたたが、高段者にはまだ物足りなさがありました。

 そんな状況に風穴を開けたのが、コンピュータの強みである幅広い読みに、もう一度人間的な碁の感覚を加えるということでした。その一つは、決まりきったところは読みを省略し、早く打つということ。これによって対局時間は大幅に短縮されました。また、アマ高段者になるために必要な「様子見」などの全局的な手筋や、形勢判断に基づく着手の選択など、人間的な感覚や思考法を加味したため、ついに囲碁ソフトはもう一つ壁を破り、五〜六段レベルを経て、「七段格」の棋力を獲得したのです。

C「ディープラーニング」の搭載(深読みの自然流・大局観)

 2016年3月、人工知能(AI)が当時最強のプロ棋士を破るという、衝撃的ニュースが走りました。それを可能にしたのは、PC自らが自己対局を重ねて学んでいく「ディープラーニング」という手法でした。その成果はさっそく、CD1枚に収まるパッケージで、アマチュア向け対局ソフトの思考エンジンに搭載されました。棋力はアマ八段。「六段時代」の奔放で好戦的な棋風は鳴りを潜め、すぐれた大局観と深読みで、「自然流」の強さを発揮するようになりました。  


 アマ有段者にとって、もはや「新・新ソフト」は何の不満もないはず。強過ぎてかえってやる気がしなくなるという方には、一段刻みで10級まで棋力設定を下げることができますし、置碁で鍛えてもらうこともできます。初級者から八段の方まで、どなたにも楽しめます(最新バージョン「囲碁世界12」を見る

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