囲碁ネット対局・通信対局
ネット対局の魅力 |
囲碁の上達で最も大切なことは、何といっても実戦の対局数ですから、限られた人としか打つ機会のない人にとって、ネット対局は魅力的です。通信対局ですから、遠方の人とも自由に打てますし、ときにはお隣の韓国や中国、さらには欧米の囲碁ファンとも対局することができます。実に便利な時代になったものです。
インターネットで通信対局するためのサイトを運営している企業・団体は十数社を超えます。主なところを挙げると、パンダネット、サンサン、GO‐NET、WWGo、KGS、WING、Yahoo!、日本棋院ネット「幽玄の間」、関棋ネットなどがあります。このほかに無料で碁が打てるサイトもいくつかあり、ネット対局を楽しもうとしても、どこにしたらよいか迷うのではないでしょうか。そこでネット対局をこれから始めたい方のために、選択のポイントをまとめました。
ネット対局サイト選択のポイント、注意点 |
有料会員か、無料会員か?
ネット対局を始めるためには、まず運営するサイトに会員登録しなければなりません。会員には有料会員と無料会員があり、どちらかを選択できる場合と、どちらかひとつしかない場合があります。「無料なら、それにこしたことはない」と考えるかもしれませんが、有料と無料ではサービスの中身が違うのです。「無料だから得」とは一概にいえません。また、同じ有料でも費用は毎月数百円から数千円まで、各社まちまちです。自分がどんなサービスを求めているのか、それが料金に見合うのかという判断が必要になります。なお、有料の場合、一般的な会員は月々2千円前後の料金のところが多いようです。また、通信対局に必要なパソコン・ソフトが有料の場合もありますので、注意が必要です。
囲碁ネットの会員数は多いほうがよい
ネット碁では当然ながら会員数が多いところほど、自分の棋力に合った対戦相手が早く決まり、待たされることが少なくなります。これはかなり重要なポイントになります。会員は40歳以上の中高年がどこでも多く、また有段者、その中でもとりわけ高段者が多いのが特徴です(年齢は、ネットの場合は気にならないとは思いますが…)。初・中級者はネットでも対戦相手が見つかりづらいということが、現実としてあるわけですね。ですから、全体の会員数だけでなく、初心者にどれだけ力を入れているかもチェック・ポイントとなります。
通信切断など、マナーの悪い会員への対策は?
だれでも負けるのはいやなもの。不出来な碁は対局中に投げたしたくなります。でも直接碁盤をはさんで対局しているのに、投了の意思表示もせず石を崩したり、勝手に部屋から出てしまったりする人はいません。そんなマナー以前のことさえ守れない人は、碁を打つ資格がありませんね。でも、ネット対局ではそういう人がたまにいるのです。勝手に途中で通信を切断してしまう人が…。顔が見えないからできるのでしょうが、そうした一部の不心得者のために、多くの善良なお客様が不愉快な思いをするのは、ネット運営者にとっても頭の痛い問題です。マナーの悪い会員への対策をどうしているのか? これも重要なチェック・ポイントの一つです。
実名登録(本名)かハンドル名(ニックネーム)か?
対局の際に表示される名前が本名でなければならないか、それともハンドル名(ニックネーム)でよいかは、サイト運営の根幹にかかわる問題かもしれません。「あまり人に知られず、気軽にネットで碁を楽しみたい」という方は多いかもしれませんが、一方では先ほどのマナーの悪い会員の問題があります。実名にするのは、みっともないことをさせないためでもあるわけです。
その代わり、プロ棋士や名の知られたアマ強豪が、覆面で武者修行をすることはできなくなるわけです。ネットの観戦者が、「あの強い棋士は誰だろう」と、棋風から想像する楽しみもなくなります。
パソコン操作のわかりやすさ
囲碁対局ソフトの操作のわかりやすさは、特に70歳以上の方には重要な要素でしょう。パソコンに触るのが怖いために、囲碁ソフトでの学習やネット対局をためらっているという方も少なくありません。最も基本的な操作をするボタンを大きくして、操作を単純化したソフトを開発しているところはどこか。チェックしてみてください。パソコンは、実際に自分で動かしてみれば意外に簡単です。対局ライブ中継、解説付観戦、指導碁、棋譜添削など
通信対局以外のサービスの中身です。ネットでは他の人の対局を見ることもできますが、特にプロ同士の対局の観戦、対局ライブ中継、解説付観戦などが充実しているかどうかも魅力の一つとなります。それらのサービスの有無は月々の料金が高いか安いかを考える目安となるでしょう。また低額の別料金を支払って、指導碁や自分の打った棋譜の添削などを受けるシステムも、上達を望むなら魅力的でしょう。東京、大阪、名古屋圏以外にお住まいの方は、なかなかプロの指導を受ける機会もありません。ネット碁によって地域格差は縮まっていくのかもしれません。
月例対局などのイベント、教室、教材ソフト
ネット対局でも碁会所と同様に月例対局などの各種大会を催しているサイトがあります。ただ、碁を楽しむだけでなく、自分の力を試すという意味では励みになり、棋力向上へのモチベーションも高まります。また、有料、無料のネット上の教室や、教材ソフトなどのダウンロードも出来る場合があります。こうしたサービスは無料会員にはないのが普通ですから、「無料」でお試し入会した後でも、いずれは有料会員に移行することを念頭にサイトを選ぶとよいでしょう。
碁のチャット(会話)を楽しむ
碁はただ打てればよいというものではありません。碁会所などでも、打ち終わったら形だけのあいさつを済まして、そそくさと次の対局者を求める姿を時おり見かけますが、味気ないものです。ただでさえネット対局はバーチャルな世界。機械に向かって碁を打つ味気なさを救ってくれるのがチャット(会話)ではないでしょうか。今はそう思えなくても、チャット機能の充実はチェック・ポイントの一つに入れてください。タイピングのできない人は、遅くてもいいから文字が打てるように練習をお忘れなく。
ネット対局をする場合の選択基準は、その人の棋力、年齢、碁への学習意欲、月々の予算、碁に割く時間、性格などによって異なってきます。ネットを運営する側は、当然ながら自社のすぐれていることしか言いませんから、できれば何人かの通信対局経験者の口コミが判断の上では重要になります。
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