手筋問題〔級位者向け〕
あっと驚く魔法の手筋を実戦で使いこなすために… |
碁を覚えて最初にあっと驚かされる手は、ウッテガエシではないでしょうか。「石を取られてはいけない」と思っていると、わざわざ取られに行くのが良い手だというのですから、この「手筋」を知っただけで も碁を覚えた意味があるというもの…。この他、ゲタやオイオトシなどの「手筋」も、入門者にとっては魔法のようなもので、碁が面白くなるきっかけとなるものです。
ところが、碁が少し強くなり、ウッテガエシやオイオトシなどが実戦でもひと目でわかるようになると、もうこれらの手段を「手筋」とは言わなくなります。そして、サガリやオキ、二目にして捨てる、鶴の巣ごもり…などの高度な”魔法の手筋”へと進んでいきます。手筋を知り、実戦で使いこなしていくことは、上達に不可欠であるばかりでなく、より高次元の碁の面白さを味わうためにも欠かせません。
筋や形はひと目で発見。読みの裏づけもしっかりと…
それとともに、読みの裏づけも欠かせません。碁は第一勘が正しいとは限りません。似たような形でも最善手が異なる場合もあります。また、相手の側から予想外の好手があるかもしれません。まずは三手の読み、そして上級者になったら、重要な変化は五手くらい読む習慣をつけると、ある日、突然強くなる瞬間が訪れるはずです。
ここでは、級位者のために対戦型の囲碁ソフトから、級位者向けに6題選んで解説を試みました。手筋の面白さが少しでも味わえたら、次はぜひ、ゲーム感覚で楽しめる手筋問題のソフトにチャレンジしてください。
手筋6題 |
⇒ 正解と解説は下段 |
手筋問題1 黒番 白石△2子を取ってください。 手筋T(入門〜6級)より |
ヒント 初級者は黒1と打ちたくなるでしょう。黒5までコウになりますが、無条件で取りたいのです。 正解と解説へ |
手筋問題2 黒番 白石△4子を取ってください。 手筋T(入門〜6級)より |
ヒント 黒1と取り急ぐのは白4まで。アタリの2子をつげば、黒1の石が取られて失敗です。 正解と解説へ |
手筋問題3 黒番 最後まで読み切って白を取ってください。 手筋T(入門〜6級)より |
ヒント 実戦ではシチョウが読みきれず、黒1と打ってしまう人が多いでしょう。単純なシチョウと少し異なりますが…。 正解と解説へ |
手筋問題4 黒番 白石を分断してください。 手筋T(入門〜6級)より |
ヒント 実戦では黒1と打って、白を連絡させてしまう人が多いでしょう。もう一歩、踏み込みます。 正解と解説へ |
手筋問題5 黒番 白石△4子を取ってください。 手筋U(5級〜1級)より |
ヒント 黒1からのコウしかない、とあきらめないでください。これぞ手筋という感じの手があります。 正解と解説へ |
手筋問題6 黒番 白石△6子を取ってください。 手筋U(5級〜1級)より |
ヒント 黒1と取っても白2で、ワタリを防がれます。正解は残り3つの第一線の中にあります。 正解と解説へ |
正解と解説
問題1 正解図黒1がこの形の急所で、白2には黒3で取れています。白2で3なら、黒2です。黒1の手筋は考える以前に、直感的に目が行くようになってください。
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問題2 正解図
黒1と冷静に下がっておくのがよく、白は2につぐしかありません。この後はダメの数が3対3なので、順番に詰めて攻め合いは黒の勝ちになります。
問題2へ戻る 問題3へ
問題3 失敗図
黒1、3、5とシチョウに追うのが正解ですが、黒7が間違えました。黒×がアタリになっていることを忘れています。白10と取られると、黒Aと打てなくなっています。
問題3 正解図
黒1からシチョウに追った後、黒7とこちらからアタリにするのが正解です。このように一子がアタリになっていてもシチョウで取れる場合がありますから、最後まで読み切れる力をつけてください。
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問題4 失敗図
黒1はよくある手筋ですが、都合よく白4とは打ってはくれません。白2から4と打たれて失敗です。逃げた黒石2子と黒1の1子は、どちらかが見合いで取られています。
問題4 正解図1
黒1とこちらにハネ出します。白は3に切る手が成立しないので、白2から4と打って黒1子を取ります。そこで黒は、次図…
問題4 正解図2
もうだれでもわかりますね。黒1、3で白3子が取れています。似たような形でも、本題のように黒▲にハネ出すのか、それとも黒1に切り込むのか、正解は周囲の状況次第で変わります。
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問題5 失敗図
黒1、白A、黒Bで取れると思うのは早合点。白2と打たれ、黒A 、白C、黒B、白2の順でコウになります。白2の手筋は実戦でよくありますので、ひと目でわかるようにしてください。
問題5 正解図
黒1のオキが何とも味わい深い手筋ですね。実戦で打てたら立派な有段者です。白2には黒3。白は3の下にオサエられないのがミソです。白4には黒5まで、無条件で勝っています。
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問題6 失敗図
黒1は左から小ゲイマ、右から大ゲイマでいかにも手筋風ですが、白2でうまくいきません。黒3には白4で、黒1の石がアタリになるため、連絡できません。
問題6 正解図
上の失敗図と同じように見える黒1が正解。白2には黒3で左右の黒はつながっています。一線のケイマや大ゲイマの筋では、勘に頼らず、しっかりと読むことが大切です。
問題6へ戻る
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