シチョウとゲタで石を取る
少し碁らしくなる石の取り方 |
ここでは最初の手筋らしき技、シチョウとゲタについて説明します。図を眺めるだけではわかりづらいという方は、実際に碁盤に並べてみてください。はじめのうちは、図の通り石を並べるにも時間がかかるものですが、棋力が上がるにつれてすらすらと並べられるようになります。
シチョウ知らずの碁打ちかな
碁を打つというのにシチョウも知らない。そんな初心者を茶化す川柳(? かなりの字足らずですが…)が、「シチョウ知らずの碁打ちかな」です。入門してから初めてシチョウを覚えると、ちょっと一ランク上がったなという気分になりますが、実戦でシチョウがわかるのはまだまだ先のことかもしれません。なにしろ、初段近くになっても、シチョウで取れるかどうか悩まされるのですから。
右上(シチョウ) 中央の白2子に黒1とアタリをかけました。白2と逃げれば、今度は反対側から黒3のアタリ。このように白が逃げるたびにアタリ、アタリを繰り返し、黒19まで行ったところで行き止まりです。白20には黒Aで白石12個が取れるのはいうまでもありません。
実際は、黒1と打たれたときに白20までとなることを予測し、白は2と逃げません。一つ逃げるたびに大損するからです。実戦で図の白のような形になったときは、くれぐれも逃げないように。
左下(シチョウアタリ) 左下は同じシチョウでも少し様相が違います。白石Bが行く先に待ち構えているからです。同じように黒21からアタリで追って行っても、白26までとなって、白の5子は白石Bとつながってしまいました。この瞬間、白のダメの数は4つになって、もはやアタリをかけることもできません。それどころか黒の石は断点だらけで、バラバラ。収拾がつきません。シチョウで取れないのに追うのは大悪手なのです。 白Bのようにシチョウで取られるのを防ぐ石を、シチョウアタリといいます。
初めての手筋―ゲタ
普通ではうまくいかないことでも、技を使うとうまくいくことはスポーツや仕事などの分野にたくさんあります。囲碁を打つ上での技を「手筋」と呼びます。手筋をどれだけ実戦で使いこなせるかが、上達の鍵を握ります。囲碁の手筋は数えきれないほどたくさんありますが、次に説明するゲタは、たいていの人が最初に教わる手筋ではないでしょうか。
左上 白1子(▲印)の取り方です。白◎があるためシチョウでは取れません。そこで黒1が手筋となります。この手をゲタといいます。両にらみで、白は逃げられません。白2には黒3、白Aなら黒Bで、いずれにしても白1子は取られます。
右上 白石が3つに増えましたが、同じように黒5のゲタで、もう白は身動きができません。このあと白Cには黒Dです。
左下 白石が5つに増え、さらに◎印の白が援軍として控えています。それでも、黒7のゲタで取れているのです。白8と出て◎につながりそうですが、黒9で白6子がアタリ。このあと白Eには黒Fです。
右下 白のダメが3つ空いているので、取るのが難しそうですが、これもゲタで取れます。黒11が急所で、白12には黒13とハネます。このあと白Gと逃げようとしても、黒Hと切って白4子がアタリになります。
☆関連ページ ⇒ 囲碁用語〔入門編〕 碁がよく分かるために
(囲碁の知識) 続・囲碁用語〔入門編〕 定石・布石・置碁から
NEXT:石の切断と連絡 ページトップ ホームページ